Mai Inoue
弁護士
井上 茉彩
明るさと話しやすさが私のモットーです。
相談に来られたお客様に,「先生は話しやすいね。」と言ってもらえることが多く,嬉しく思っています。
趣味は旅行と美味しいものを食べに行くこと。お酒も甘いものも大好きです。
中学時代は陸上部に所属しており,皿倉山を駆け上ったり,
大濠公園や小郡運動公園で駅伝を走ったりする活発な子どもでした。
今は元気いっぱいの子どもたちに囲まれながら,女性や子どもの事件を中心にお引き受けさせていただいています。
特に関心をもって取り組んでいる分野
- 女性側の離婚事件,これに関連する女性の相談
- いじめ,体罰,学校事故など
- 交通事故
- 遺言,遺産分割など相続に関する紛争
地域活動
九州・山口・医療問題研究会
弁護士会活動
子どもの権利委員会
仕事に対する思い
依頼者の話に親身に耳を傾け,その人にとって最善の方法を一緒に考えていきたい。
不安や苦しみを少しでも和らげるお手伝いがしたい。
弁護団活動
全国B型肝炎訴訟弁護団
苦しんでいる女性や子どもの力になりたい
それが、弁護士を目指した原点です
Q. 弁護士を目指したきっかけは何ですか?
A. 中3の夏、姉のような存在だった知人の離婚問題がきっかけです。夫から自分の両親と折り合いが悪いことを理由に離婚を迫られ、やむなく離婚したところ、後になって別の女性との間に子どもがいたことが発覚。知人が二重三重に傷ついた様子を見て、「苦しんでいる女性の力になりたい」と思いました。
専業主婦が多かった時代は、家庭の中での力関係は夫の方が上で、妻や子どもに理不尽なことがあっても「仕方ない」で済まされていました。私自身、女性の気持ちや意見がもっと尊重される生き方をしたいし、そのお手伝いがしたいと思い、弁護士の道を選びました。
Q. 関西の法科大学院に進んだそうですね。
A. 京都が大好きで、一度住んでみたかったので、九州大学卒業後は同志社大学法科大学院に進みました。法科大学院というと勉強漬けの日々をイメージするかもしれませんが、高校や大学時代と比べても、とにかく楽しい2年間でした。私は長時間勉強するのがむずかしく、集中と効率で乗り切るタイプ。必ず遊びの時間も必要で「司法試験という高い山を乗り越えるために、日本一高い山に登ろう!」と、仲間たちと富士登山にチャレンジしたこともいい思い出です。
関西に進学しましたが、行く前から「働くなら福岡」と決めていました。大好きなおばあちゃんに「必ず弁護士になって、2年で帰ってくるね」と約束していたからです。福岡は、とても住みやすい街なので、帰ってくることに迷いはありませんでした。
Q. ちくし法律事務所へ入所した経緯は?
A. 法科大学院で「ハンセン病国家賠償訴訟」についての授業があり、甚大な被害と被害回復に当たった弁護士たちの姿に胸を打たれ「弁護士になるんだったら、私もいつかはこういう活動をしたい」という思いが芽生えました。
司法試験に合格し、福岡の弁護士事務所合同説明会に参加したところ、ちくし法律事務所のブースで、浦田弁護士が「ハンセン病国家賠償訴訟」の事務局長を務めておられたことや迫田弁護士が歴史的な判決で「勝訴」の旗出しをやったことを聞いて、一方的に「これは運命だ!!」と思いました。
また、後で分かったのですが、法科大学院時代に大変お世話になった恩師を、浦田弁護士がある事件で専門家証人として尋問したことがあったそうです。そのことを覚えていた恩師は、私がちくし法律事務所に入ることをとても喜んでくれました。また、事務所の先輩方にも「あの先生がかわいがっていたのなら」と受け入れていただき、不思議な縁を感じています。
Q. 女性弁護士なので女性からの相談が多いですか?
A. ちくし法律事務所には3人の女性弁護士が在籍しています。依頼者が女性の場合、女性弁護士を希望される方が多いです。離婚の相談をよく受けますが、そのほかにも、相続、職場の問題、子どもの学校問題、子どもが事件の被害にあったなど、女性はさまざまな問題を抱えておられます。
女性は、男性に比べてもめごとを抱えていないように思われがちですが、実は身の回りの日常的な紛争をたくさん抱えています。そして、誰に相談していいか分からず悩んでいる方が多い印象です。家庭の中で何か問題が起きたときには、男性よりも女性が矢面に立たざるを得ないことが多いのでしょう。男性とは抱えるトラブルの種類が少し違うかもしれません。
Q その他、どんな分野に取り組んできましたか?
A子どもに関する問題にも取り組んでいます。いじめによる自死や体罰指導死において、遺族の代理人として関わります。ちくし法律事務所の迫田弁護士は、この分野における九州の第一人者なので、私もチームとして多くの事件に携わりました。学校や加害者との協議の中で、損害賠償の話が出ますが、遺族が望んでいるのは、お金だけではありません。「あやまってほしい」「説明してほしい」など、要望はさまざまです。その願いをどこまで叶えられるか、迫田弁護士と共にとことん考え、遺族に寄り添いたいと思っています。
Q. ちくし法律事務所の強みは何だと思いますか?
A. うちは「雑談の多い事務所」。ちょっと悩んだりしたときに「これってどう思う?」と、隣の弁護士に気軽に聞けます。そこで、より良いアイデアが出たり、自分の経験を踏まえてアドバイスを送り合ったり。弁護士は20代から60代まで年齢構成も幅広く、得意とする分野も異なる、頼もしい仲間です。また、自分の得意分野ではない相談依頼には、他の弁護士を紹介したりチームで取り組んだりできます。多くの弁護士が揃っているからこその強みです。
また、事務局の存在も大きく、弁護士の心強いパートナーです。もちろん弁護士との役割分担はありますが、他の事務所ではできないようなことも担ってくれるので、いつも助けられています。相談者の依頼内容や希望を把握してくれているので、弁護士が不在の折でもことがスムーズに運びます。依頼者の気持ちを汲んだ声かけなどからも、お客様の満足度に違いが出ていると感じています。
Q. この仕事をやって良かったと思うのはどんなときですか?
A. 依頼者の多くは、悲しみや苦しみ、不安を抱えていて、マイナスの状態で来られる方がほとんどです。離婚となると、自由は得られても経済的には厳しくなります。自由を取り戻し、法的手続きや依頼者の就労などによって時間をかけながら経済的に独立できるようになると、子どもの成長や友達との時間など、違った楽しみにも目が向けられるようになります。こうして依頼者が笑顔になり、プラスの方向に向かう姿を見るのがとても好きです。一緒にがんばってきて良かったと思う瞬間です。
また、私が子育て中ということもあり、子どもの死亡事案などを担当すると、親に共感することすらおこがましいと感じることがあります。子どもがいなくなるなんて、想像を絶する苦しみだと思うからです。「分かります」なんて、軽々しく言えない。でも「少しでも分かるようになりたい」「力になりたい」という気持ちは伝えたいです。
子どもを失った傷はいえないけれど、長い時間をかけて気持ちを整理し、何かしらの解決を見たときに「一区切りつきました。これからは前を向いて歩いていきます」という言葉をいただくことがあります。そんなときは一緒に涙するくらい私もうれしいです。涙もろいので、よく一緒に泣いてしまいます。
Q. 相談を迷っている方に伝えたいことはありますか?
A. 初めての相談では、混乱して話がまとまっていないことが当たり前です。辛かった気持ちが思い出されて、感情的になることもあると思います。事件の本筋に関係ないことでも、相談者の気持ちを理解したいので、すべて受け止められるように、初回相談では特にていねいにお話をうかがうよう心がけています。
事件が終わるときに、幸せの方向に進めるかは、「その人がその事件を乗り越えられるか」にかかっています。弁護士との日々は、一緒に話していくなかで「何があれば乗り越えられるか」を探す作業のように思います。もちろん勝つことは大事ですが、「とことんやったから後悔はない。やれることは全部やりきった」と、納得してもらえるかも、同じくらい大切にしています。
相談を迷っている方には「あなたの不安を受け止めるので、話を聞かせてください」と伝えたいです。一緒に、あなたにとって幸せになる道をとことん探していきましょう。