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福岡県筑紫野市の法律事務所 ちくし法律事務所です。

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二十歳の中国横断旅行

二十歳の時、昭和から平成になりました。
時代は、バブル絶頂期。ワンレン、ボディコン、ジュリアナ東京。。。。
そういう時代に、敢えて逆らってみよう!と、中国で貧乏旅行をすることを決意しました。
1年間中国語を勉強し、山崎パンを店頭で販売するバイトをして15万円ためました。
3週間の中国一人旅のはじまりです。

東京から、夜行バスで大阪南港へ。(旧)鑑真号に乗りました。最初の数時間は元気だったんですが、夕方に大浴場に入ったあたりから船酔いに。2泊3日の船中は、ほとんど床に横になったままでした。船から上海の港が見えたとき、五香粉の匂いがしました。




当時の上海の裏路地です。
見ず知らずの大学生たちから、しきりに日本語で話しかけられました。当時の中国の学生さん達の学習意欲の熱さを感じました。

寝台電車に乗って西安に行きました。硬臥とよばれる普通寝台列車(縦3段)に乗って一泊二日だったと思います。野菜あんかけ弁当が意外においしかったことを覚えています。車中、乗客はやたらと、ピーナッツとかひまわりのタネとかを食べ散らかし、その殻を通路にどんどんと捨てます。時々車掌さんがやってきて、それをきれいに箒で集めていました。と、集めたゴミを、そのまま列車の外にどんどん捨てるのには驚きでした。


西安では、秦の始皇帝のお墓(兵馬俑)と、楊貴妃が入ったというお風呂を見て、中国の悠久の歴史に思いをはせました。
西安では、スリにあいました。厚手のジージャンの内ポケットに財布を入れていたのですが、満員バスの中で、ジージャンを外から切られて、財布だけがとられていました。
旅慣れた人から、「中国の人は、目的の範囲内での悪さしかしないから、いいよ」「ヨーロッパでは、意味もなく殺されていたよ」と言われ、怖い思いも新たにしました。


次に訪れた成都でも、昼間は杜甫のお墓をまわったりと、観光気分。
ところが、宿泊先(世界中の貧乏旅行者が集まる宿)に帰ると、何人かが集まってひそひそと話しあいをしていました。
彼らは、チベットから成都に移動した若者達で、ちょうどラサ暴動を目の当たりにしてきたというのです。
市民に機関銃を向けた中国当局のやり方が許せない。国連に写真などを送り、助けを求める算段をしているということでした。
ぬくぬくと育ってきた私には、中国の圧政、民族の抵抗、機関銃、国連の救済。いずれもが目の前の現実であることに愕然とした思いでした。
成都から昆明までは、かの成昆鉄道の軟臥(上級寝台)にのって移動。有名な山岳列車の車窓を楽しもうと、これがこの旅行唯一の贅沢でした。

昆明からは、バスを使って、石林や大理に行きました。

石林にはあでやかな民族衣装をまとった少数民族の方達が暮らしておられ、ちょうどお葬式の場面を見せていただきました。

その後、色々と親切にして貰ったのですが、最後に物乞いされたときには、複雑な思いがしました。

大理という町はその名の通り、大理石で有名なところです。
学生運動の時代に日本を飛び出し、包丁一本をもってアジアを渡り歩いているという中年の男性にお会いして、日本の戦後にも思いをはせました。
大理から昆明に戻るバスの中、夜中にも関わらず急にバスが止められて、警察官がどやどやと乗り込んできました。大理という町は、裏では大麻の産地として有名なので、大麻が密かに持ちさられていないかを確認しているのでした。
となりにいた中国の方から、「あなたたち(日本人)は早くパスポートを見せなさい」と言われて、危うく難をのがれました。ただ、何人かの中国の人たちは、強引にバスから連れ去れた姿が忘れられません。

戻った昆明の町で、こともあろうか、再度スリに遭いました。
今回はピンチでした。昆明から日本に帰るお金がなくなったのです。
周りにいるのは貧乏旅行者ばかり。借りるにも、相手もお金を持っていない。。。

昆明の空港で、私は意を決して、一番お金持ちそうな、日本人らしき若きご夫妻に語りかけました。
「全財産をすられて、日本に帰るお金がありません。いくらでもよいので貸してください。」
今思うと、よくもそんなことが言えたものだと感心します。
その方々は、日本国籍を持つ中国華僑のご夫妻でした。
よく話を聞いてくださり、見ず知らずの私に、ぽんと10万程度のお金を貸してくれたのです。
本当に幸運なことでした。
(日本に帰ってからおつきあいが始まり、今も、年賀状のやりとりをさせていただいています。)

それから、私は、相変わらずの貧乏旅行をつづけながら、桂林、広州、香港と経て、日本に戻りました。

その年の5月。かの天安門事件が起こりました。
世界は激動の時代に入っていきます。


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